当社グループの製品は、半導体や電力、石油、医薬品など幅広い産業分野の重要機能部品として使用されます。
用途により仕様が異なるため、それぞれに最適な設計や生産が求められます。
そこで当社では、必要なものは素材から内部製作し、全工程を社内一貫生産して、よりクオリティの高い製品づくりを実現します。
三田工場は、メカニカルシール、グランドパッキン、ガスケットなどの産業機器関連市場向けのシール製品の生産を担うほか、研究・開発部門も設置した、マザー工場としての役割を有する当社主力工場です。
2020年3月に、「合理的レイアウト、自働化・機械化、IoT化による生産性の向上」「労働環境、安全性、BCP実行性の向上」 「技術研修センター、分析センター、ショールームによる来訪者の信頼感・安心感の向上」をコンセプトにしたリニューアル工事により最新鋭の工場に生まれ変わりました。
また、研究・開発においても三田工場の技術者を集結させた「イノベーションセンター」が2023年10月に竣工しました。「製品開発フロア」「事務所フロア」「R&Dフロア」の3つのフロアで構成され、三田工場の多様な技術者を集結させることで総合知の創出と活用を図ります。
需要に対応するタイムリーな生産設備増強 電子機器関連市場向け製品のさらなる需要拡大に対応すべく、「生産能力の大幅アップ(最大80%増)」「新生産体制の構築によるコスト競争力の強化」「顧客からの厳しい品質要求への対応」「開放感のあるつくりで当社技術を“魅せる”工場」をコンセプトにした福知山第2工場が2023年9月に竣工しました。同規模工場をさらに3棟建設可能な拡張可能エリアを有しており、機動的に増強する計画です。
海外現地生産体制
電子機器関連事業市場向け製品の市場拡大が見込まれる米国及び中国における拠点強化を進めています。米国ではフリーモントオフィスに半導体製造装置メーカーの開発ニーズの受け皿として簡易なラボを設置しました。また、倉庫スペースを拡張し需要の拡大に対応します。
中国では滁州ピラー工業において電子機器関連市場向けの製品の地産地消を進めています。生産品目の増加や生産体制の強化により、品種・量ともに拡充してまいります。
自働化・IoT化推進
三田工場ではAGV(Automated Guided Vehicle:無人搬送台車)、AGF(Automated Guided Forklift:無人フォークリフト)、RFID(Radio Frequency Identification:ICタグを用いた近距離無線通信による識別・管理システム)を導入しています。
これらを活用することで、作業負担の軽減はもちろん、ヒューマンエラーの撲滅、歩行運搬時間の短縮や無人操業による生産性向上とリードタイムの短縮を図っております。
高水準のクリーンルーム
福知山事業所では、大規模な工業用クリーンルーム(空気中に浮遊する微粒子や微生物を限定されたレベル以下の清浄度に管理し、不純物やゴミを持ち込まないようにするための部屋)を導入しています。
電子部品は微細な塵埃が残っているだけでも異常をきたす恐れがありますので、高性能フィルタにより埃や微粒子を捕集したり、静電気などを除去することが非常に重要となることから、最高水準のクリーンルームを完備し、今後も市場のニーズに応えてまいります。
来訪者の信頼感・安心感を高める施設
三田工場の技術研修センターでは、当社従業員のみならず、販売取引先や協力会社を対象とした研修プログラムを用意しております。ポンプやバルブなどの実機をそろえており、製品の組み込み実習などを通して製品への理解を深めることができます。
また、工場見学に来られるお客様に当社をより知っていただくためにショールームを完備しております。実際に使われている場所の紹介や、当社製品の構造がわかりやすいようにカ
ットモデルを展示するなど、視覚的に理解しやすい工夫を施し、新しい事業創出のきっかけづくりも担っています。
安全・環境に配慮した設計
地震への安全対策として三田工場、福知山事業所、九州工場には当社が開発した免震装置を採用しております。
また、環境に配慮した設計においては、CASBEE(建築環境総合性能評価システム)の認証取得に取り組んでおり、三田工場および三田イノベーションセンターはともにCASBEE Aランクを取得し、福知山第2工場はCASBEE Sランクを取得しています。屋上には自家消費型太陽光発電を設置しており、地球環境にも配慮しています。
CASBEE取得以外にも、ECMコンクリート(低炭素型コンクリート)や大豆油使用キュービクルの採用といった、環境に配慮した対応を行っております。